よもぎ茶の成分は製造工程でどう変わる?焙煎・抽出・品質管理をメーカーが解説

遠藤陽子
管理栄養士監修遠藤陽子

「よもぎ茶は体にいい」——そう書いてあるブログは山ほどある。

でも「なぜこの製品を選ぶべきか」を、製造の裏側から語れるのはメーカーだけだ。

この記事では、累計30万個以上を販売してきた浄化茶房が、焙煎・抽出・品質管理の3つの視点から「よもぎ茶の成分が製造工程でどう変わるか」を解説する。普段は見えない、パッケージの裏側にある科学の話だ。

焙煎で「何が残り、何が消えるか」——茶葉加工の科学

生葉から乾燥茶葉へ:クロロフィルの運命

よもぎの鮮やかな緑色はクロロフィル(葉緑素)によるもの。しかしクロロフィルは熱に弱く、加工温度が高すぎると分解されて褐色に変わる。

農研機構の研究によれば、クロロフィルは加熱によってフェオフィチンに変化し、緑色を失う。つまり焙煎温度と時間のバランスが、クロロフィルの残存量を左右する

浄化茶房のよもぎ茶が深い緑色を保っているのは、独自の温度管理基準で焙煎しているから。色が濃い=クロロフィルが残っている=原料と加工の両方に品質がある証拠だ。

ポリフェノールは加工で増える? 減る?

意外かもしれないが、ポリフェノールは加工によって「変化」する。日本生物工学会の報告では、食品加工中にポリフェノールは酸化的に変換・重合し、異なる構造の化合物に変わることが示されている。

紅茶の製造では、茶葉に含まれるポリフェノールオキシダーゼ(酵素)が発酵中にカテキン類を酸化し、テアフラビンやテアルビジンといった高分子ポリフェノールに変換される。一方、よもぎ茶のような不発酵茶では、加熱で酵素を失活させるため、ポリフェノールの構造変化を最小限に抑えることができる。

つまり「焙煎のやり方」ひとつで、最終製品のポリフェノール組成は大きく変わる。同じ「よもぎ茶」でも製造者によって中身が違うのは、ここに理由がある。

メーカーの視点

「よもぎ茶は体にいい」と書くのは簡単。しかし同じ原料でも、加工条件で最終的な成分量は変わる。原料の選定から焙煎温度、乾燥方法まで——製品に差が出るのはこの工程。消費者には見えない部分こそ、メーカーの腕の見せどころだ。

水出しvs煮出し——抽出温度で変わる成分バランス

よもぎ茶の飲み方で最もよく聞かれる質問が「水出しと煮出し、どっちがいい?」だ。答えは目的による

煮出し(熱湯抽出):成分量が最大化

熱湯で煮出すと、カテキン(タンニン)やカフェイン(よもぎ茶はカフェインゼロだが一般論として)の溶出量が最大化する。農林水産省の研究によれば、80℃以上の高温抽出ではEGCG(エピガロカテキンガレート)の溶出量が冷水の約5倍に達する。

よもぎ茶の場合、煮出すことで精油成分(シネオール、α-テルピネオール)が揮発し、独特の清々しい香りが引き出される。温活目的なら煮出し一択だ。

水出し(冷水抽出):まろやかで飲みやすい

10℃前後の冷水で抽出すると、渋味・苦味成分の溶出が抑えられ、甘味・うまみが引き立つ。三井農林お茶科学研究所のデータでは、水出しではEGCGの溶出が約1/5に減少し、代わりにEGC(エピガロカテキン)が多く抽出される。

EGCには免疫細胞のマクロファージを活性化させる働きが報告されており、水出しには水出しの科学的メリットがある。

比較項目 煮出し(95℃) 水出し(10℃)
渋味(タンニン) 多い 少ない
香り 精油成分が揮発し豊か 控えめ
甘味・うまみ 苦味に隠れがち 引き立つ
温活効果
おすすめの季節 秋〜冬

浄化茶房のおすすめ

初めての方は煮出しから。よもぎ茶のポテンシャルを最大限に引き出せるのは煮出し。香りと温かさを楽しんだ後、夏場の水出しで違う表情を発見するのが理想的な楽しみ方だ。

HACCP取得工場で作る意味——安全は「当たり前」の先にある

HACCPとはHazard Analysis and Critical Control Pointの略。食品の製造工程で起こりうる危害(微生物汚染・異物混入・化学的危害)を分析し、重要な管理ポイントを継続的に監視・記録する衛生管理システムだ。

2021年6月から食品を扱う全事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務化された。つまりHACCP対応は「特別なこと」ではなく「最低限」。問題は、その最低限をどこまで超えているかだ。

原料の段階で品質は決まる

よもぎ茶の品質は焙煎の前——原料の選定段階でほぼ決まる。産地の気候・土壌・収穫時期によって、クロロフィルやポリフェノールの含有量は大きく変動する。

浄化茶房は原料の品質基準を設け、基準を満たさないロットは使用しない。「国産」「無農薬」だけでは品質は語れない——同じ国産でも、原料のグレードには天と地の差がある

30万個が証明する再現性

1回だけ良い製品を作るのは難しくない。難しいのは30万個以上を同じ品質で作り続けることだ。

リピート率93%という数字は、「1回飲んで良かった」だけでは達成できない。2回目、3回目、10回目のお客様が「前と同じ味だ」と感じる再現性——これがHACCPに基づく工程管理の本当の価値だ。

品質管理項目 浄化茶房の基準
製造工場 HACCP取得工場
原料 国産よもぎ・無農薬栽培
残留農薬検査 全ロット実施
累計販売数 30万個以上
リピート率 93%

よもぎの栄養成分——食品成分データベースが示す数値

よもぎの栄養価を「豊富」で終わらせない。文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の一次データから、主要な健康食材と定量比較する。

成分(生葉100gあたり) よもぎ ほうれん草 ケール 倍率
食物繊維 6.9g 2.8g 3.7g ほうれん草の2.5倍
4.3mg 2.0mg 0.8mg ケールの5.4倍
カリウム 890mg 690mg 420mg ケールの2.1倍
カルシウム 180mg 49mg 220mg ほうれん草の3.7倍
ビタミンK 340μg 270μg 210μg 1日推奨量の2.3倍
β-カロテン 5,300μg 4,200μg 2,900μg ケールの1.8倍

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

数字は嘘をつかない。よもぎは鉄分・食物繊維・カリウム・ビタミンKのいずれでも、「スーパーフード」として知られるケールやほうれん草を上回っている。

他のお茶にはない——よもぎ特有のフラボノイド

ここまでの栄養素比較は、他のブログでも書こうと思えば書ける内容だ(実際に書いているところはほとんどないが)。

ここからは、よもぎ茶だけが持つ、緑茶にもルイボスにもない成分の話をする。

ユパチリン(eupatilin)

ユパチリンはArtemisia princeps(日本のよもぎ)に特有のポリメトキシフラボノイド。2009年のJournal of Ethnopharmacology誌の研究で、COX-2(炎症酵素)の発現抑制とNF-κB(炎症シグナル)の活性化阻害が報告されている。

さらに2025年のPMCレビューでは、ユパチリンの胃粘膜保護活性や高血糖患者を対象とした臨床試験の存在も報告されており、研究の厚みが増している成分だ。

ジャセオシジン(jaceosidin)

ジャセオシジンもよもぎ属特有のフラボノイド。抗アレルギー・抗酸化・抗炎症の三拍子揃った活性が特徴で、2013年のUPLC-DAD分析ではArtemisia princepsの「化学的指紋」として他種との識別マーカーに使われている。

2022年のPMC論文では、ユパチリン・ジャセオシジンを含むArtemisia属抽出物が大腸炎モデルで炎症性サイトカインを低下させたことが報告されている。

なぜこの情報が重要か

「よもぎ茶が体にいい」と感じる理由の一部は、ユパチリンやジャセオシジンのようなよもぎにしかない成分にあるかもしれない。これらは緑茶のカテキンやルイボスのアスパラチンとは異なる独自の機能性成分であり、よもぎ茶を選ぶ科学的な理由の一つだ。

まとめ——「中身」で選ぶよもぎ茶

この記事で伝えたかったのは3つ。

1. 同じ「よもぎ茶」でも、製造工程で中身は変わる。
焙煎温度、乾燥方法、品質管理——見えない部分の差がカップの中身に直結する。

2. 水出しと煮出しでは、抽出される成分が違う。
温活なら煮出し、まろやかさなら水出し。目的に合わせた飲み方で、よもぎ茶のポテンシャルを最大化できる。

3. よもぎ茶には、他の健康茶にない固有成分がある。
ユパチリン、ジャセオシジン——よもぎ属にしか存在しないフラボノイドが、学術論文でその活性を証明され始めている。

パッケージのデザインや価格だけでなく、「この製品は、どうやって作られているのか」を基準に選ぶ。それが、本当に良いよもぎ茶に出会うための第一歩だ。

参考文献・出典

※ 本記事は上記の公的機関・学術情報を参考に作成しています。個別の症状については医療機関にご相談ください。

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